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いきたい所があるから一緒にいってもらっても良い?

567:2010/05/26(水) 22:42:21 ID:mcQxm41G0
昨晩、飲み過ぎたせいか、どうやら寝過ぎてしまったようだ。しかし今日は代休で休み。
人が働いてる時に休みなんて、ちょっとした優越感を感じながら、重たい瞼を擦りながらテレビを点けた。
テレビに目を向けると、司会者と観客の、
「それではそろそろお友達を・・・」
「え~」
と、何時ものやりとりが行われていた。
「さて今日は何をしようかな・・・」と独り言を呟いた時に、不意に携帯が鳴る。
どうやら彼女からの電話のようだ。
「もしもし・・・」
「あ、おはよう。今日、いきたい所があるから一緒にいってもらっても良い?」
そう言えば前にも、「ラーメン屋に一人で入るのが恥ずかしい」とか言って付き合わされたっけ。
その日は特に予定も無かったので、二つ返事でOKした。
「ありがとう。じゃあ、今晩部屋まで迎えに行くから待っててね」
そう言うと彼女は電話を切った。
しかし酷い二日酔いだ。先程起きたばかりだが、耐え切れず俺は再び横になった。


568:2010/05/26(水) 22:43:28 ID:mcQxm41G0
誰かが喋ってる声で目が覚める。
どうやらテレビを点けたまま眠ってしまってたようだ。テレビでは午後のワイドショーがやっていた。
その番組を見た途端に眠気が一気に吹き飛んだ。
どうやら今朝に大規模な列車事故があったようだ。しかも俺がいつも利用している路線だ。
「もし今日休みでなかったら巻き込まれていたのでは・・・」
そう考えたら背中がゾッとする。
テレビでは犠牲者の名前が読み上げられていた。
そして一人の名前を聞いた時に、全身の血が凍るような感覚を受けた。
彼女の名前がそこにあったのだ。
ひょっとしたら同姓同名かも。俺は祈る様な気持ちで彼女の携帯に電話をかける。
だが無情にも『おかけになった番号はお客様のご都合により・・・』
何度も何度もかけても彼女の携帯には繋がらない。
全身に絶望が襲い掛かる。そんな時に携帯が鳴る。
「彼女からだ!」
俺は慌てて携帯に出る。しかし、電話の向こうは彼女の妹だった。
『・・・もしもし・・・姉さん・・・死んじゃった・・・
 一番被害が酷かった一両目に乗ってたみたいで、即死だったって・・・」

電話を切った俺は、放心状態でしばらく動けなかった。
しかし冷静になるにつれ、彼女の事で頭が一杯になる。
昨日まであんなに元気だったのに。
今日電話で話したのに。
今晩一緒に出掛ける約束をしたのに。
膝から崩れ落ちると、俺はたまらず号泣した。
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