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人形を木に打ち付けているよう

640 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/03 19:48
この前、犬の散歩を21時頃にしたときの話。

たまたま涼しくて、自転車にのって隣町まで犬を走らせていたら、
急にもよおしてきて(小)、緑地公園に駆け込んだんだ。
犬を自転車の荷台に繋いで、ちょっとした林のようなところに駆け込み事をなす。

「はぁー」って危機を脱出した俺はふと、目の前に何かあることに気づいた。
それは木に打ち付けられた人形で、それも見てるだけで怖い日本人形。
胸のところに五寸釘のような大きな釘が打ち込まれていて、首がカクンと手前に、
ちょうどうつむいているような状態だった。
何となくしょんべんの軌道を見ていたため、目線が木の根元にあったのだが、
よく見ると、その木の俺の目線から、上へ上へと日本人形が釘づけにされていた。
正直、うわっ嫌なもの見たなぁと思った。
で、見上げていくと、うつむいた顔が見えていくわけ。
一番下(目の前のやつ)から数えて三つ目の人形と、ちょうど目が合ったとき背筋に悪寒が走った。
暗すぎてあまり見えないんだけど、木の上のほうで「ガッ、ガッ、ガッ」って音がする。
まるで何者かが、次の人形を木に打ち付けているように。

俺自身、稲川淳二とか好んで聞いているタイプだから、予想がつくわけ。
(このままどんどん目が慣れるまで、上を見上げていてはいけない)
で、視線をこう、どんどん下に下ろしていくと、
目の前の人形が顎を持ち上げ、こちらを向いていた。(さっきは俯いていたはずなのに!)
叫びそうになったけど、声が出ない。
お経も知らないし、神様に祈る余裕なんかもなかった。
涼しかったはずなのに汗が吹き出て、足も動かず…

そのとき、自転車に繋いでいた犬が、(結構大きい犬なんだけど)
自転車を引きずるように俺のほうに近寄ってきて、大きな声で吼えた。
すると、急に金縛りのような状態が解けて、足が動く。
もう無我夢中で自転車を起こし、犬のリードを手に自転車をこいだ。

この話はここでおしまい。
作った話じゃないので、こう、話として面白くなかったかもしれないけど。死ぬほど怖かった。
冷静に今考えると、暗闇、目の錯覚。音も鳥か何かがいたのかも知れないけど。
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